株式の相続税評価額はいくら?「最も低い株価」を選んで節税する計算方法と注意点
親が株式投資をしていて、 「相続が発生した」「そろそろ相続対策を考えたい」 そんなときに気...
不動産相続が起きると、「現金が少なく土地が中心」「実家を残したい」「共有名義は避けたい」といった理由で、遺産分割が一気に難しくなります。
そんなときに有力な選択肢になるのが、代償分割です。
この記事では、不動産相続の問題が生じており代償分割を検討している方に向けて、
・代償分割の仕組み(何をどう分割するのか)
・現物分割・換価分割・共有分割との違い
・代償金の計算方法(具体例つき)
・相続税・贈与税・譲渡所得税など税務上の注意点
・失敗しないためのチェックリストと協議書の記載例
を、専門用語をかみ砕いてわかりやすく解説します。
この記事のライター
菊地 正志
江戸川葛西相続法律事務所の代表弁護士。第一東京弁護士会所属。株式や不動産の遺産分割や相続トラブルを得意とする。全弁護士の1%以下しかいない弁護士、税理士、会計士準会員の「トリプルライセンス」を保有している。小学生の頃に水球を始め、そこで培ったタフな交渉力が強み。明治大学法学部卒業・明治大学法科大学院卒業。
目次
代償分割とは、相続財産のうち特定の相続人が不動産などの現物(現物=土地・建物など)を取得し、他の相続人に対して代償金(現金など)を支払うことで、全体として公平な分配を目指す方法です。
国税庁も、代償分割を前提とした相続税の課税価格の計算方法を示しており、実務上よく使われる遺産分割の方法です。
【大和証券HP『代償分割』】
https://www.daiwa.jp/glossary/YST2187.html
【国税庁HP『No.4173 代償分割が行われた場合の相続税の課税価格の計算』】
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4173.htm
不動産相続でよく出る分割方法は、次の4つです。
| 方法 | ざっくり言うと | 向いている場面 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 現物分割 | 土地を分筆する等で物理的に分ける | 広い土地で分けても価値が落ちにくい | 公平性が欠けるおそれがある |
| 換価分割 | 売却して現金で分ける | 公平性を最優先したい | 売却の手間やコストがかかる |
| 代償分割 | 取得者が不動産を取り、他へお金で調整 | 実家を残したい・共有を避けたい | 取得者の資力が必要 |
| 共有分割 | 共有名義のまま持つ | その場しのぎになりがち | 後で揉めやすい |
共有分割は、売却・賃貸・修繕など「意思決定のたびに合意が必要」になり、将来トラブルが増えやすいと指摘されています。
そのため、共有分割は“問題の先送り”になりやすく、基本的に避けたい選択肢です。
【一般社団法人 相続解決支援機構HP『【要注意】相続不動産の共有名義はデメリットしかない!?トラブル回避できる遺産分割方法を解説』】
https://www.souzoku.or.jp/405/
ここでは、数字でイメージできるように、典型例を紹介します。
例:相続人4人、6,000万円の土地を長男が取得する
法定相続分(配偶者1/2、子は残り1/2を3人で等分)を前提にすると、
長男が土地6,000万円を取得するなら、長男は
合計 5,000万円 を代償金として支払う、という設計になります。
国税庁のHPでは、代償分割が行われたときの課税価格について、基本ルールを次のように示しています。
また、代償財産(代償金)の評価について、合理的な方法で計算して申告することが認められる旨も整理されています。
代償金は現金で払うのが一般的ですが、もし「別の土地」など不動産で代償する場合、ケースによっては譲渡所得(所得税)の問題が出ることがあります(専門家確認が必須)。
【国税庁HP『No.4173 代償分割が行われた場合の相続税の課税価格の計算』】
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4173.htm
不動産が遺産の大半を占めると、現物分割や共有分割ではどうしても財産的価値の偏りが生じるおそれがあります。
代償分割なら、代償金で相続人間の財産的価値の差を調整できるため、相続人全員が納得しやすい解決策を作りやすくなります。
実家や店舗、賃貸物件などを売らずに残せます。
「そのまま住み続けたい」「事業を継続したい」という希望があるときに有益な方法です。
代償分割で単独所有にできれば、
などの意思決定がスムーズになります。共有トラブルの火種を減らせます。
【一般社団法人 相続解決支援機構HP『相続不動産の遺産分割方法と評価額。代償分割・換価分割・現物分割・共有名義それぞれのメリット・デメリット』】
https://www.souzoku.or.jp/339/
代表例が小規模宅地等の特例です。一定要件のもと、宅地等の評価額を大きく減額できる制度で、国税庁も制度概要を公表しています。
※代償分割の設計次第で適用関係が変わるため、税理士確認が必須です。
【国税庁HP 『No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)』】
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4124.htm
最大の壁がこれです。
不動産を取得する相続人が、代償金を用意できないと成立しません。
という流れが現実的です。
【りそなグループHP『遺産相続でトラブルに!「争族」になりやすいケースとその対策』】
https://www.resonabank.co.jp/kojin/column/shoukei/column_0006.html
代償金額の前提となる「不動産の評価」で対立しやすいです。
路線価、固定資産税評価額、不動産会社の査定、鑑定評価など評価方法が複数あるためです。
→ 早い段階で「どの評価で合意するか」を決めるのが重要です。
【セゾンのくらし大研究シニアHP『代償分割での代償金の決め方とは!?遺産分割協議書の書き方や支払えない場合の対処・交渉方法』】
https://life.saisoncard.co.jp/post/fd188/
代償分割は相続税の計算ルールがある一方で、設計を誤ると別の税金が出る可能性があります。
次のような場合は、代償分割が難しくなることがあります。
その場合は、
など、別の方法や併用を検討します。
そして「共有分割」は後で揉めやすいため、可能なら避けることが好ましいです。
【りそなグループHP『遺産相続でトラブルに!「争族」になりやすいケースとその対策』】
https://www.resonabank.co.jp/kojin/column/shoukei/column_0006.html
基本ステップは次の通りです。
代償分割は、遺産分割協議書が曖昧だと後で「贈与では?」「払ってもらってない」など揉めやすいです。
遺産分割協議書には最低限、次を明記します。
公正証書にしておくと証拠力が高まり、トラブルの予防に有効です。
こうした場面では、弁護士・税理士・司法書士の連携が重要です。
現金が少なく土地・建物中心の遺産では、代償分割が現実的な解決策になります。
同居していた相続人が自宅を取得し、他の相続人へ代償金を支払うのが典型例です。
代償金の算定・支払いは協力が必要なので、話し合いが成立しやすいほどスムーズです。
□ 資力確認:取得者は代償金を払える?(預金/ローン/分割案)
□ 評価方法:どの評価で合意する?(査定差が出やすい)
□ 協議書:対象財産・金額・期限・方法を明記した?
□ 税務確認:相続税・小規模宅地等の特例・贈与税リスクを確認した?
□ 担保設定:分割払いなら抵当権等の担保を検討した?
□ 共有回避:安易に共有名義にしていない?
江戸川葛西相続法律事務所は、東京都江戸川区の東西線・西葛西駅に所在し、代償分割を含む遺産分割や相続税を見据えた相続対策に強みを持つ、日本に150人程度しかいない弁護士、税理士、日本公認会計士協会準会員のトリプルライセンスを保有する代表が運営する法律事務所です。
相続財産の価格の算定や、代償分割・現物分割・換価分割の選択や相続人間の対応など、遺産分割特有の問題にも豊富な実務経験があります。
相続人間の話し合いが難航しているケースや、遺産分割手続きに不安がある場合も、法的観点から適切にサポートいたします。
「代償金の額で揉めそう」「共有は避けたい」「この案で税金が心配」など、状況整理だけでも構いません。
早めの相談が、紛争化と損失(税務・売却機会の逸失)を防ぎます。
遺産分割相続でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。