遺産分割調停にかかる費用について。弁護士に依頼する際の費用とメリットについて解説!
遺産分割調停は、相続人間で意見が対立した場合に家庭裁判所を通じて解決を図る手続きです。調停を申し立て...
相続や遺産分割の場面で弁護士の力を借りることは、円滑な解決につながる重要なステップです。しかし、弁護士費用について「いくらかかるのか」「どのようなケースで費用が変動するのか」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。本記事では、相続や遺産分割でかかる弁護士費用の相場や依頼内容別の詳細、弁護士選びのポイントを解説します。
この記事のライター
菊地 正志
江戸川葛西相続法律事務所の代表弁護士。第一東京弁護士会所属。株式や不動産の遺産分割や相続トラブルを得意とする。全弁護士の1%以下しかいない弁護士、税理士、会計士準会員の「トリプルライセンス」を保有している。小学生の頃に水球を始め、そこで培ったタフな交渉力が強み。明治大学法学部卒業・明治大学法科大学院卒業。
目次
相続や遺産分割に関する弁護士費用は、案件の複雑さや地域によって異なります。以下が一般的な費用の目安です。
・相談料:30分5,000円~10,000円程度
・着手金:10万円~50万円程度(案件の規模による)
・成功報酬:得られた金額の10%~20%程度
(日本弁護士連合会「弁護士費用(報酬)とは」
https://www.nichibenren.or.jp/legal_advice/cost/legal_aid.html)
弁護士に遺言書の作成を依頼する場合、以下の費用が一般的です。
費用の目安:10万円~20万円程度
(相続会議「遺言書作成を弁護士に依頼する費用の相場は? メリット、手続きの流れ、注意点も解説」https://souzoku.asahi.com/article/14048986)
ポイント:複雑な財産構成や内容の複雑性により費用が増加する傾向にあります。
弁護士に遺言書の作成を依頼する場合、以下の費用が一般的です。
費用の目安:30万円~ 遺産総額の0.5~2%程度
(相続会議「『遺言執行者』の報酬はいくら?専門家に依頼した時の相場を解説」 https://souzoku.asahi.com/article/13774754)
ポイント:遺産総額によって費用が増加する傾向にあります。
弁護士に遺言書の作成を依頼する場合、以下の費用が一般的です。
費用の目安:5万円~10万円程度
(相続会議「相続放棄の費用を解説! 弁護士や司法書士の相場は? 依頼するメリットも」 https://souzoku.asahi.com/article/14367434)
ポイント:多くの相続人がいる場合、費用が増加する傾向にあります。
遺留分請求を行う場合の相場は以下の通りです。
・着手金:30万円~
・成功報酬:回収額の5%~16%
(相続会議「遺留分侵害額請求 弁護士に依頼すると費用はいくら? 弁護士の選び方やメリットも解説」 https://souzoku.asahi.com/article/14435131)
これらの訴訟は複雑なケースが多く、費用も高額になりがちです。
・着手金:30万円~100万円
・成功報酬:成果に応じた割合(10%~15%)
一般的な弁護士への依頼は、依頼した本人と弁護士との委任契約です(民法643条)。そのため、弁護士費用は依頼した本人が支払います。
・銀行口座の有無の確認、不動産の名義調査、過去の契約や保険の確認をスムーズに進められる
・インターネット上にも多く存在する相続に関する情報の中から、状況に応じた正確な情報を選別することができる
・感情的な問題に発展しやすく、親族間で直接話をするのは非常に負担が大きい交渉を代わりに行わせることができる
・費用が発生する
相続問題は法律的に複雑で、専門的な知識と経験が求められます。そのため、相続に特化しており、多くの相続案件を手がけた実績のある弁護士を選ぶと安心です。専門性の高い弁護士は、さまざまなケースに対応でき、最適な解決策を提案してくれます。
弁護士費用は決して安くはありません。料金体系が不透明だと、予想外の出費が発生する可能性があります。
相続問題はデリケートな内容を含むことが多く、弁護士との信頼関係が成功の鍵となります。自分の話を親身に聞いてくれ、疑問や不安に対して丁寧に回答してくれるかを確認しましょう。連絡のスムーズさ: 連絡が取りやすく、レスポンスが迅速であることも重要です。実際に話すことで、弁護士との相性を感じ取ることができます。
相続人間で意見が対立し、争いが激化している場合、弁護士が行う業務が増加するため費用が高額になりやすいです。
遺産に複数の不動産や非上場株式が含まれる場合、資産の特定や評価、分割方法を検討する際に専門的な知識が必要となり、弁護士費用が高くなることがあります。
相続人が多いほど話し合いが複雑になり、調整のための労力が増えます。
弁護士費用は依頼内容や案件の複雑さによって変動するため、事前に料金体系を明確にしておくことが大切です。
遺産分割で争いが長引くほど、弁護士費用が増加する可能性があります。交渉をスムーズに進める工夫が必要です。
感情的な対立を避け、弁護士と相談しながら法的根拠に基づく現実的な解決を目指しましょう。
弁護士からのアドバイスをもとに、必要以上に長期化せず、早期の解決を心がけることが費用の抑制につながります。
事前に財産目録や必要書類を整理しておくことで、手続きの効率が向上し、弁護士の作業時間を減らせます。
経験豊富で信頼できる弁護士を選ぶことで、無駄な手間やトラブルを回避し、費用を抑えることができます。
過去の事例や他の依頼者からの評価を確認し、対応の良さや費用面での信頼性を判断しましょう。
最初に費用をはっきり提示してくれる弁護士なら、追加費用の心配を減らすことができます。
相続や遺産分割で弁護士に依頼する際には、費用やメリット・デメリットを理解しておくことが大切です。専門家をうまく活用することで、問題解決がスムーズになります。費用面が不安な場合は、相談時にしっかり確認し、自分に合った方法を選びましょう。