遺産分割調停にかかる費用について。弁護士に依頼する際の費用とメリットについて解説!

遺産分割調停は、相続人間で意見が対立した場合に家庭裁判所を通じて解決を図る手続きです。調停を申し立てる際の費用や弁護士に依頼する場合の費用を正しく理解することは、手続きのスムーズな進行に役立ちます。本記事では、遺産分割調停の費用と弁護士に依頼する際のメリットについて詳しく解説します。

遺産分割調停にかかる費用について。弁護士に依頼する際の費用とメリットについて解説!
菊地 正志

この記事のライター

菊地 正志

江戸川葛西相続法律事務所の代表弁護士。第一東京弁護士会所属。株式や不動産の遺産分割や相続トラブルを得意とする。全弁護士の1%以下しかいない弁護士、税理士、会計士準会員の「トリプルライセンス」を保有している。小学生の頃に水球を始め、そこで培ったタフな交渉力が強み。明治大学法学部卒業・明治大学法科大学院卒業。

遺産分割調停を相続人自身で申し立てる際の費用

調停を自分で申し立てる場合、費用は主に以下のような項目に分かれます。

調停を自分で申し立てる場合、費用は主に以下のような項目に分かれます。

調停申立費用

家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てる際、申立手数料として収入印紙や切手が必要です。一般的な申立費用の目安は次の通りです。
・収入印紙代:1,200円
・切手代:申し立てる裁判所によって異なります
(裁判所「遺産分割調停」
https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_07_12/index.html

必要書類取得費用

調停に必要な書類の取得には以下の費用がかかります。
・戸籍謄本:1通450円程度
・住民票:1通300円程度
・不動産登記簿謄本:1通600円程度
(参考:江戸川区「各種証明書のオンライン請求」 https://www.city.edogawa.tokyo.jp/e031/kurashi/todoke/denshishinsei.html
相続人や財産の状況に応じて、複数の書類が必要になる場合があります。

遺産分割調停を弁護士に依頼するメリット

弁護士をつけることで、以下のようなメリットがあります。

弁護士をつけることで、以下のようなメリットがあります。

1.法的サポートを受けられる

相続法に基づいた適切なアドバイスを受けられるため、自分の権利を守ることができます。

2.交渉を一任できる

弁護士が代理人として調停に出席し、適切な交渉を行うことで、精神的な負担が軽減されます。

3.手続きがスムーズに進む

必要な書類の準備や申請手続きを弁護士がサポートするため、手続きのミスが減り、スムーズに進行します。

遺産分割調停を弁護士に依頼する際の費用

弁護士費用は案件の規模や内容によって異なりますが、以下が一般的な相場です。
1.相談料:30分5,000円~10,000円程度
2.着手金:20万円~30万円程度
3.報酬金:成功報酬として得られた利益に応じて計算
(相続会議「相続・遺産分割の弁護士費用はいくら? 誰が払う? 相場や払えない時の対処法も解説」https://souzoku.asahi.com/article/14333351

遺産の中に不動産が含まれている場合

不動産が相続財産に含まれる場合、その処理は非常に複雑になることが多く、適切に対応しなければ相続人間でのトラブルや不公平な分割が生じる可能性があります。特に、以下のような課題が頻繁に発生します。

不動産が相続財産に含まれる場合、その処理は非常に複雑になることが多く、適切に対応しなければ相続人間でのトラブルや不公平な分割が生じる可能性があります。特に、以下のような課題が頻繁に発生します。

1.共有名義の処理

相続人が複数いる場合、不動産が共有名義になるケースが一般的です。この場合、不動産の利用や管理、売却に関して全員の同意が必要になるため、意思が一致しないと問題が長期化する恐れがあります。また、共有名義のままにしておくと、後に相続人がさらに増えるなど、より複雑な状況になるリスクもあります。そのため、共有名義を解消し、不動産を売却して分割したり、特定の相続人が取得する代わりに他の相続人に代償金を支払ったりする方法が検討されます。

2.評価額の算定

不動産の市場価値を正確に算出することは、遺産分割を進める上で欠かせないステップです。しかし、不動産の評価額は固定資産税評価額、市場価格、不動産鑑定士の評価など複数の基準があり、それぞれ異なる金額となることが多いです。このため、どの評価方法を基に分割割合を決めるかについて、相続人間で意見が分かれることがあります。また、不動産の種類や立地、築年数、現在の利用状況によって評価が変わるため、公平な分割には専門的な知識が必要です。

3.相続税の手続き

不動産を相続する場合、相続税が発生する可能性があります。不動産が占める割合が高い場合、相続税の支払いが困難になることもあり、納税方法の検討が必要です。

まとめ

遺産分割調停には、調停申立費用や必要書類の取得費用などがかかります。弁護士を依頼することで費用は増えますが、法的なサポートや交渉の代行を受けられるため、特に複雑な案件では大きなメリットがあります。調停の手続きや費用について十分に理解し、スムーズな相続手続きを進めましょう。

遺産分割調停には、調停申立費用や必要書類の取得費用などがかかります。弁護士を依頼することで費用は増えますが、法的なサポートや交渉の代行を受けられるため、特に複雑な案件では大きなメリットがあります。調停の手続きや費用について十分に理解し、スムーズな相続手続きを進めましょう。

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