株の相続はどうすればよい?遺産分割の流れや注意点について解説
株式を相続する場合、他の財産とは異なる特別な手続きや評価が必要です。この記事では、株式の遺産分割の流...
遺産分割協議書は、相続財産を分割する際に必要不可欠な書類です。特に不動産が遺産に含まれる場合、その分割方法や書き方に特別な注意が必要です。本記事では、不動産のみの遺産分割協議書の書き方について解説し、その作成時に考慮すべきポイントを詳しく説明します。
この記事のライター
菊地 正志
江戸川葛西相続法律事務所の代表弁護士。第一東京弁護士会所属。株式や不動産の遺産分割や相続トラブルを得意とする。全弁護士の1%以下しかいない弁護士、税理士、会計士準会員の「トリプルライセンス」を保有している。小学生の頃に水球を始め、そこで培ったタフな交渉力が強み。明治大学法学部卒業・明治大学法科大学院卒業。
目次
不動産が遺産に含まれる場合、協議書に明確に対象となる不動産を記載することが重要です。以下では、戸建てとマンションの二つの場合について解説します。
戸建ての場合は土地と建物が相続財産となります。そのため、土地と建物に分けて記載します。不動産登記簿を確認し、以下の項目を正確に転記する必要があります。
(土地)
所 在
地 番
地 目
地 積
(建物)
所 在
家屋番号
種 類
構 造
床面積
マンションの場合は、戸建ての場合と異なり、不動産登記簿が1棟の建物の表示、専有部分の建物の表示、敷地権の目的である土地の表示からなります。戸建ての場合と同様に、不動産登記簿を確認し、以下の項目を正確に転記する必要があります。
(1棟の建物の表示)
所 在
構 造
床面積
(専有部分の建物の表示)
家屋番号
建物の名称
種 類
構 造
床面積
(敷地権の目的である土地の表示)
土地の符号
所 在
地 番
地 目
地 積
敷地権の種類
敷地権の割合
不動産のみの遺産分割協議書を作る目的は、不動産の取得者が、遺産分割協議書を使用して不動産登記をすることにあります。不動産登記は、法務局において厳しい形式面のチェックを経て行われるため、少しでも不備があると受け付けてくれないおそれがあります。そのため、正確に遺産分割協議書が作成されているか、専門家に判断してもらうことをおすすめします。
一度作成された協議書でも、相続人全員の合意があれば修正が可能です。遺産分割協議書を修正する方法は、まず訂正する部分に二重線を書き、修正したい内容を記載します。次に、修正をしたページの余白部分(通常は上か下の欄外)に、相続人全員が捨印(遺産分割協議書の作成に使用した印鑑)を押し、捨印の隣に二重線で消した文字数を「〇字削除」と記載し、修正した追加した文字数を「〇字加筆」と記載します。
不動産の遺産分割が完了したら、相続登記を行う必要があります。この手続きは、法的に相続が完了したことを証明するための重要なステップです。なお、2024年4月1日から、不動産の相続登記が義務化されました。相続登記をしない場合に罰則をうけるおそれもあるため、なるべくお早めにお手続きください。
協議に基づき、不動産の分割方法を決定します。
必要書類には、戸籍謄本、住民票、遺産分割協議書などがあります。不動産の遺産分割方法により必要な書類が異なりますので、専門家に確認することをおすすめします。
書類が揃ったら、法務局に提出し相続登記を完了させます。
遺産分割協議により不動産を登記する場合、登録免許税等が数万円かかります。
まとめ
相続登記には期限があるため、速やかに手続きを行う
提出する書類の漏れがないように確認する
不動産のみの遺産分割協議書は、他の遺産に比べて特に注意が必要です。相続登記の手続きを正確に行うことで、将来的なトラブルを防ぐことができます。専門的な知識が必要な場合は、弁護士に相談し、適切なアドバイスを受けることをおすすめします。